リネンの選び方、つきあい方

素材としてのリネンの魅力

リネンと言えば二つの意味で使われています。一つは麻・木綿をつかった製品の総称、もう一つはリネン=亜麻の素材のことを指します。日本ではまとめて麻と言われていますが、麻の種類にはリネン(亜麻)、ラミー(苧麻)、ヘンプ(大麻)、ジュート(黄麻)など、たくさんの種類があり、その種類は植物も原産国も異なります。なかでも亜麻科の植物、フラックスを原料としたリネン(亜麻)はもっとも肌ざわりがよい上質な麻で、ヨーロッパで古くから親しまれてきました。フラックスでできた細く丈夫な糸は「線」を意味する「Line」と呼ばれ、使い込むことで柔らかな風合いが楽しめることから、古くから下着の素材としても使用され、ランジェリー(Lingerie)の語源にもなったそうです。

リネンは天然ならではの機能性に優れた素材で、コットンの4倍と言われる優れた吸水性・吸湿性に加え、速乾性が特長です。早く乾くからこそ雑菌の繁殖を抑え、防カビ防臭に優れているのでキッチンやバスなどの水廻りに適しています。また水に濡れた時の強度が高いので繰り返しの洗濯にも耐久性があり、デイリーユースには最適な素材と言えるでしょう。また、麻の繊維は毛羽立ちが少なく、食器などを拭いても繊維が残らないため、一流のソムリエやホテル・飲食店でワイングラスを拭くのにも使用されています。

使い込むほど生地は柔らかくしなやかな表情に変化し、ほどよいしわ加減にも愛着が生まれるのがリネンの魅力。アイロンをかければ、またもとの光沢感のある状態に戻せるので、使い込んだ柔らかさとパリッとしたつや感、好みで2通りの素材感をお楽しみいただけます。清潔で快適、やわらかな風合いと強さ。リネンは毎日使うことで、その価値を実感できる贅沢な素材なのです。

亜麻の原料となる1年草の植物フラックス。毎年6月頃に開花し7~8月頃に収穫される。乾燥させた茎から取り出された繊維から選りすぐりの上質なものが紡がれ糸になる。 画像提供:Masters of Linen協会

写真:猪又 直之