リネンの選び方、つきあい方

◎布の実力を知る 布こそ心地よい空間の主役 中世ヨーロッパから伝わるリネンの文化

インテリアの世界で布物(ファブリック)とはカーテンやテーブルクロス、椅子やソファの張り布地、クッション、ベッドカバーなどのすべてを指し、居心地の良い住空間に仕立てあげるマストアイテム。なかでも家で洗って使用する布物はハウスホールドリネンと呼ばれ、大きく分けてシーツ、ピロケース、パジャマ、バスタオルなどを指すベッド・バスリネンと、テーブルクロスやナプキン、食器ふき、手ふきなどテーブルやキッチンで使うテーブルリネンまでを含みます。特にハウスホールドリネンは中世ヨーロッパの上流階級から歴史を築きあげてきた格式ある生活用品。テーブルクロスやベッドリネンには紋章や名字のイニシャルを刺繍したものが使われ、家風、美意識を象徴するものとして母から娘へと代々受け継がれていったといいます。そんな伝統的なリネン文化を持ち、古くから布を暮らしに上手に取り入れてきた欧米では、布のない部屋は裸の部屋だとも言われてきたそうです。一方日本の伝統的な建築様式と空間を見れば、布を暮らしに取り入れることに慣れていない人がまだまだ日本に多いことが頷けます。

撮影協力:GALLERY RYO

自分なりのテーマで空間をドレスアップ

身につけるものと同じように、住空間も自分のパーソナリティを反映したい。気を配って好みの家具や雑貨、家電などを選び抜き、実際部屋に置いてみると何故かまとまりのない印象に見えてしまう。そんな「部屋に統一感がでない」という悩みを解決するのに、積極的に取り入れたいのが布。家具のレイアウトや雑貨などでベースを仕上げたら、色や柄だけでなく、生地の素材感のバランスを考えながらクッションやブランケット、テーブルクロスなどをプラスしながら自分のイメージするスタイルを演出しましょう。布は素材や色柄で空間に個性をプラスしながら空間全体の調和役を担ってくれる大切なアイテムで、簡単に模様替えや部屋の雰囲気を変えることができます。
例えばダイニングテーブルに、テーブルクロスやランナーを一枚敷くだけで空間の表情が変わります。また、クッションやソファなどの張地に厚手の生地を使えばインテリアに奥行きをもたらしてくれます。さらに空間を彩る効果に加えて、物を置く音や喋り声を吸収したり、寒さを緩和したり、大切な家具を傷や日焼けから保護してくれるなど暮らしを快適にしてくれる布の機能性も見逃せません。オリジナリティのある居心地の良い空間を作れるかどうかは、布で決まると言ってもいいでしょう。

写真:猪又 直之