日本の職人技を発信する山田平安堂がつくった筆記具

日本の職人技を発信する山田平安堂がつくった筆記具

「メイド イン ジャパン」が見直される昨今だが、洗練されたモダンなデザイン・スタイルで「和」を表現した山田平安堂のステーショナリーシリーズはその先駆けとも言える。そもそも、昔も今も世界が羨望のまなざしを向ける「うるし」を、どうこの時代にまた新しく活かすかが老舗の手腕。木の優しさと潤い、温かさを持つ断熱性に優れ、類稀な塗料としての「うるし」の効用をあますことなく、身近に置いて学びたい。
漆器は食卓ばかりでなく、実はデスク周りでも私たちの生活を豊かにしてくれる長いパートナーと成り得ることを、ここで再確認し、直に触れ手肌で感じ取ってほしい。

掲載商品はすべてオンラインショップ(山田平安堂 楽天市場店ヤフー!店)にて購入できます。
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老舗のコラボレーションで実現した蒔絵万年筆

蒔絵(まきえ)とは、漆器に「うるし」を用いて絵や文様を描き、金銀粉を蒔いた後、さらに磨き上げる漆芸を代表する伝統技法。19世紀、パリ万博において西欧の人々に日本芸術、日本の文化力を知らしめたのが、この技法。たった一つの線を描くにも、数年の修行を要するという熟練の職人の筆づかいには、誇りと気品が漂い、見る者を一瞬にして魅了する。平和な江戸の世に盛大に花開いた蒔絵文化。その技の伝承には、はかり知れない膨大な時の流れを感じずにはおれない。

日本製の万年筆のペン先は、その品質が世界的に高く評価されている。それは“トメ”“ハネ”“ハライ”など、精密な表現が求められる漢字・かな文化の中で万年筆の品質向上を100年以上にわたり追求されて来たから。万年筆の書き心地をよくするために欠かせないのが、ペン先の先端部分であるペンポイントの「研ぎ」。一般的には「丸研ぎ」という球状に近い形で加工されることが多いが、山田平安堂では「長刀(なぎなた)研ぎ」というこだわりの研ぎを採用した「長刀万年筆」もラインナップしている。この研ぎの特長は、ペンポイントを長刀のように長い形状に仕上げることで、すべりが良く、滑らかに書けるようになる。また万年筆を用いる角度を調整すれば、細字から太字まで自由自在に描けるという書き手の裁量を広げる能力も備えている。非常に手のかかる研ぎの技法のため、戦前の万年筆の大量生産の流れの中で徐々に姿をなくしていた技法だが、100年もの間、日本の万年筆業界を牽引するセーラー万年筆の名工の手によってここに蘇ったもの。

さり気なく品よく控えめに、持ち手の美意識を主張するデザインと、21金の柔軟なボディのペン先に匠の技術を込めた極上の書き味。この技の結晶とも言える山田平安堂の蒔絵万年筆は、ビジネスシーンはもちろん、様々な場面でそこはかとなく日本を語る美しい道具として活躍するにふさわしい逸品である。

■網目蒔絵(あみめまきえ) 万年筆 7万8750円/ボールペン 5万7750円

■龍閃(りゅうせん) 万年筆 5万2500円/ボールペン 3万1500円

■流水紋蒔絵(りゅうすいもんまきえ) 万年筆 6万8250円/ボールペン 5万2500円

■金梨地(きんなしぢ) 長刀万年筆 10万5000円
少し粗めの金粉を蒔き、その上に漆を重ね、研ぎ出す古典的な技法。梨肌のような仕上がりであることから、この名がある。平安堂の梨地は、一般的なものよりも、あえて漆を厚めに塗り、研ぎ出しを控えめにしているため、深みのある落ち着いた色合いに仕上がっている。古典的な中に、新鮮さが感じられる大変華やかな技法。

■銀研出(ぎんとぎだし) 長刀万年筆 10万5000円
漆で塗り上げたボディに、銀粉を蒔いて絵柄を描き、さらにその上から漆で塗り上げる。
そして乾燥後、絵柄を研ぎ出し、最後に艶を上げて仕上げる表現技法。漆黒のボディに不規則に蒔いた銀とのコントラストが美しい一品。

■銀千筋(ぎんせんすじ) 長刀万年筆 10万5000円
蒔絵を指で感じるられるよう意図して作られた、細やかなラインを描く「千筋」と呼ばれる漆器では伝統的なデザインを、あえて高蒔絵という意匠で仕上げたもの。高蒔絵とは、漆塗した上に炭粉や錫粉などを重ねて絵柄を塗り上げる、地塗りの工程で立体的に見せる蒔絵の技法。見た目のシャープさと手で触れる蒔絵の心地よさを堪能できる。

※商品は、すべて専用桐箱入り。 ※表記価格は、すべて税込み。

隅金

■隅金 手文庫1万5750円、書類入1万500円

■文鎮小箱 桜4725円、鶴4725円、白檀4725円

※表記価格は、すべて税込み。

飾りすぎず描きすぎない和モダンの美しさ

和が見直される昨今、しかし、本当に洗練されたデザイン・スタイルを打ち出せるのは、古典を極めた上で、その技の足し算引き算を絶妙に心得たセンスの持ち主にしか成し得ない。在るべきところにふさわしい色や柄を配置する技術と感覚は、想像以上に追随を許さない高みにある。ペン皿、ペン立、レタースタンド、書類入、名刺箱、手文庫、文鎮などなど、普段味気なかった物たちが、「うるし」を纏うだけで違った表情に見えて来る。

■白檀 白檀は平安堂を代表するラインナップの一つ。銀箔の上に漆を塗り重ねることにより、独特の艶やかな飴色を表現する技法。 シンプルな市松模様とシックな白檀の輝き、使い込むことで下色が鮮やかに映えて来る経年変化が愉しめる。ペン立6825円、レタースタンド5250円、ペン皿5250円

■縁錫蒔絵 書類入2万6250円、小箱1万2600円、名刺箱8400円、ペントレー1万500円、レタースタンド1万2600円

明るく開かれた老舗

90年以上に渡り、漆器専門の直営小売店としてある代官山本店は、オリジナルのラインナップに加え作家物なども並べ、いつも新鮮さを感じられる店内。土地柄、外国のお客様も4割を占め、国籍・年齢を問わず、老若男女が訪れる。常に800アイテムほどを展示し、在庫も豊富に用意され、引き出物をはじめとする各種お祝いや記念の品、オリジナルの製作・修理の相談にも対応。日々の食卓はもちろん、ライフスタイルに合う、オリジナリティーに富んだ新しい漆器の提案を心がけている。 「 信頼・安心 」 だけではなく、「 明るく・フレンドリー 」 な老舗がお店の信条。

【代官山ヒルサイドテラス本店】
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18−12ヒルサイドG
TEL.03-3464-5541 FAX.03-3464-5543

日本の職人技を発信する山田平安堂がつくった筆記具

文:冨田 いずみ 写真(万年筆):猪又 直之