Special

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金子眼鏡の名を冠した新ブランドは、
伝統を守り、変わることを畏れない。

目元から始まるクオリティライフ。

金子眼鏡は昭和33年(1958年)に眼鏡卸販売の会社として、眼鏡産地として有名な福井県鯖江市で創業。現在ではオリジナルの眼鏡ブランドを中心に企画、デザイン、製造、販売を手掛けるメーカーにまで成長し、日本国内において眼鏡業界のトレンドリーダーとしての確固たる地位を築いている。
なかでも1997年にスタートした「泰八郎謹製」「恒眸作」はこれまで注目されなかった眼鏡職人にスポットを当てた画期的なシリーズで、ライセンスビジネス中心の国内眼鏡業界に一石を投じ、多くのフォロワーを生んだ。
また、1998年からミラノの「ミド」やパリの「シルモ」といった国際眼鏡展に参加し、2000年にはニューヨークのソーホーに直営店「FACIAL INDEX NEW YORK」をオープンさせている。このように国内外を問わず、眼鏡を通して人々の文化的生活の向上に貢献している。

トレンドセッターが仕掛けた次の一手、
それは足元を見つめることだった。

そんな金子眼鏡の基盤になっているのが自社工房「BACKSTAGE」の存在だ。世界的な眼鏡産地である鯖江でも量産品の海外シフトと後継者不足が重なり、廃業を余儀なくされる眼鏡工場が後を絶たず、もの作りを支える職人達が消えていく危機感から「BACKSTAGE」は設立された。2006年に鯖江市に設立したこの工房は、廃業した眼鏡工場の空き家を借り受けたもので、老朽化した平屋の佇まいから当初「金子工房」と呼んでいた。ここに全国から眼鏡作りを志す若者たちが集まり、次代へ技をつなぐべく切磋琢磨していった。
やがて2009年には2階立てのモダンな新工場に生まれ変わる。工房内では6名の眼鏡職人が、プラスチック(アセテート、セルロイド)フレームの切削からバフ研磨(仕上げ)までの一貫生産を行っている。分業が一般的な業界にあって、一貫生産体制にしているところは稀だ。生産効率が高まるだけでなく、製造過程で生まれるアイデアを積極的に取り入れることができるなど、結果的に品質の向上につながっている。
また、これまで不可能とされてきた3次元CADに代表される立体的なモデリングも可能になるなど、充実した設備を誇っている。こういった最新鋭の機械も設備しているが、すべての工程を機械が勝手に作るわけではない。素材の切断やレンズの入る内側や外側の切削、鼻パッドの取付け、テンプル切削、丁番入れなど、熟練した職人の手作業で一点一点作っている。
一貫生産だからこそ、効率を重視した分業メーカーに比べ数を追うことなく、品質を重視した眼鏡製作に没頭している。そんな昔ながらの伝統製法を継承し、"不易流行"をモットーに掲げる金子眼鏡のオリジナルブランド「金子眼鏡」がこの春からスタートする。"不易流行"とは、不変の真理を知らなければ基礎が確立せず、変化を知らなければ新たな進展がないという意味。「BACKSTAGE」で研鑽した次代を担う職人たちが"不易"と"流行"の狭間で成長してきた証が「金子眼鏡」というブランドなのだ。

「BACKSTAGE」の一貫生産体制

切り出す前の主にアセテートとセルロイドの生地(左写真)。大きな板状の生地を切断し基準となる穴を開ける(右写真)。

生地を柔かくするため枠を100度以上に温め金型(左写真)に挟みプレスしてアールをつける。レンズの入る内側と外側を旧式の枠摺り機で切削(右写真)。

鼻パッドを溶剤で取り付け(左写真)、小刀で面を研ぎ出し全体をヤスリ掛けを行う。テンプルを切削後、熱で暖めて柔らかくし、金型に挟んで高温に熱した金属芯を打ち込む(右写真)。

アセトン蒸気をあて傷を浮かせ、粗磨きとして攪拌機(左写真)に、ナイロンチップと研磨材を入れ約48時間。角が取れ大きなヤスリ傷や切削痕を取り除く。その後フェルトや布のバフに房州粉をつけて研磨(右写真)。ウッドチップとバンブー、研磨材を入れ48時間バレル研磨を行い、仕上げ用のガラに移し替え、更に48時間バレル研磨。3段階のバレル研磨によって次第に光沢を帯びてくる。

フロントとテンプルを接合する部分に穴を開け、熱で丁番を埋め込み(左写真)、フロントとテンプルの合口をカットし組立てる。きめの細かいバフで仕上げ磨きを行う(右写真)。バフ研磨は全工程の3分の2を占める重要な作業。職人によって手磨きされることで鼈甲のような艶や光沢が生まれる。最後にモダン曲げ、全体のバランスの調整と検品を行い完成。

金子眼鏡KC-02

「金子眼鏡KC-02」はセルロイドラインのクラシックなウェリントンタイプで、腕は6.5mmと細身で、智も細くスッキリ。テンプルは昔ながらのノー芯製法で、丁番やネジ、カシメ鋲には金メッキが施されている。27,300円

丁番・ネジ・カシメ鋲は金メッキになっている。

テンプルには金属芯が入っていない「ノー芯製法」。

リムを細く見せるため少しだけテレビジョンカットを入れている。

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金子眼鏡KB-04

「金子眼鏡KB-04」はブロウラインに沿った滑らかな曲線と、全体の調和を考えたスクエアなフォルムが力強く、モダンな印象。アセテート素材には備長炭を練り込んでいる。グレーの素材を光に透かして見ると、備長炭の黒が模様になっているのがわかる。使われている備長炭は厳選された上質のもので紀州備長炭。まさに日本ならではの眼鏡だ。29,400円

グレーのアセテートの中に黒く見える部分が紀州備長炭。

ブロウラインに沿った滑らかな流曲線とスクエアなフォルム。

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文:倉野 路凡 写真:猪又 直之(商品)