ハンドメイドでもマシンメイドでも求められるのは質の高いモノづくり

 メガネの歴史は意外と古く、13世紀頃のイタリアで使われるようになったのが起源といわれています。日本には戦国時代、キリスト教の宣教師フランシスコ・ザビエルが持ち込んだのが最初とされています。耳にかけるツルが付いた、現在のようなメガネが登場するのは19世紀頃からのようです。
 20世紀に入るとレンズの研究が進み、視力矯正器具としてのメガネが広く使われるようになり、やがてデザインや素材にもさまざまなものが登場してきました。
 最近はモノづくりが見直され、職人の評価も高まってきていますが、10年ほど前にはマシンメイドと呼ばれる量産品に押されて、伝統技術を継承してきた職人が1本1本丹念に製作していたハンドメイドのメガネは消え去ろうとしていました。実際、ハンドメイドの職人たちの廃業が相次いでいたのです。
「泰八郎謹製」や「恒眸作」などの伝統技術を活かしたハンドメイドの作品も、当時はほとんど売れなかったといいます。けれどもそうした時代だからこそ、そこに危機感を抱き、また伝統技術を活かして製作を続ける職人たちに尊敬を抱き続けてきたのが金子眼鏡です。そのよさを理解してもらおうと、根気強く提案を続けた結果、現在の手作りブームともいうべき時代を迎えることができました。
 では、かつては時代を謳歌したマシンメイドのメガネはどうなっていったのでしょうか。中国などで作られる低価格の量産品が台頭してきたために、国内の多くの工場が規模を縮小せざるを得なくなり、なかには廃業を余儀なくされるところも出たほどでした。
 一方、量よりも質を追求していくマシンメイドも少なくありませんでした。「SPIVVY」や「WOLFGANG PROKSCH」などは、最先端の技術を取り入れた正確で質の高い商品、すなわちマシンメイドのいいところを活かした商品作りによって、世界的にも高い評価を得ています。
 金子眼鏡が伝えたいのは、そのような質の高い「モノづくり」です。そこにはハンドメイドとマシンメイドの境界線はありません。もちろんリーズナブルな中国製品など、様々な眼鏡にも素晴らしいところが多くあることはいうまでもありません。それでもなお、日本で作られた素晴らしいメガネが日本で使われ、世界で愛されることを目指し、金子眼鏡は質の高い「モノづくり」を追い求めているのです。

 

文:有澤 隆 イメージ写真:笠井 修 商品写真:平野 多聞

イメージ写真中の商品:メガネ/小竹長兵衛作 T-301 2 ¥27,300円、
ハンチング/ア・ワークルーム メイド・トゥ・メジャー・ハット ¥18,900〜(オーダー価格) http://www.boq.jp/hp/aworkroom/recommend/0811/3.html
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