イタロ・アメリカーノの雄、ブッテロの最新作。BUTTERO(ブッテロ)
クラシックベースに靴のエッセンスを加味し、モダンなマカロニウエスタンの世界を創造

イタリア語でブッテロ(BUTTERO)とは「沼地の牛飼い」のこと。これは「アメリカンカウボーイのイタリア版」をコンセプトに描く、このブランドのマカロニウエスタン的世界観を巧みに表現した、なかなか見事なブランド名といえるしょう。
伊トスカーナ州の小さな町スタッビアを本拠とするブッテロのルーツ。それは若い日にタンナー(製革会社のこと)やシューズファクトリーに勤めながら製革法や製靴法を会得したマウロ・サーニ氏が、1964年に立ち上げたシューズブランド「マウロ・サーニ」でした。1973年、同氏はローマでマカロニウエスタンの名優ジュリアーノ・ジェンマ氏にスパゲットブーツ(イタリアンウエスタンブーツ)を提供する機会を得たのですが、これが大いに話題に。そこで翌'74年、サーニ氏はフレンツェでウエスタンブーツや乗馬ブーツのブランド「ブッテロ」をスタートさせたのです。
熟練職人によるアルティジャナーレ(手作業)で作られるこのブランドの靴は、基本的にクラシックベースの素朴さが魅力。が、そのいっぽうでファッショントレンドに常に鋭敏な感覚をきかせ、旬なデザインやディテールを取り込むことで、他に類を見ない世界を創り上げています。しかも創業者が製革に通じているためでしょうか、このブランドの革へのこだわりは徹底していて、地元トスカーナ(イタリアンレザーの一大生産地)の各タンナーによってなめされた良質で個性的な革を多用。ときには独自の加工を施して、既存の革にはないユニークな素材感を生み出すことさえしているのです。

ちなみに、このブランドの日本初上陸は1990年のこと。振り返れば、その'90年代にはイタリアからあまたのカジュアルシューズブランドが日本に登場しましたが、そのなかで最も大きな成功を勝ち得たのが、ほかならぬブッテロだったといえるでしょう。ことに日本での人気は高く、2004年には「ブッテロ トーキョー」が南青山にオープン。これは本国のミラノ店のオープン(2007年)に先立つ、世界初の直営店だったのです。しかも、この東京店のオープンと同時にバッグやベルト、革小物などの展開もスタート。いまや「ブッテロ=レザーアイテムのブランド」というイメージが確立したのです。

この秋冬、ブッテロのブーツはさらに多彩なラインアップが大充実です!

'08-'09F/Wのブッテロのメンズコレクションは、例年どおり、ブーツが主役。それらに使われているトスカーナ産の良質レザーは、表革にはプルアップやワキシングなどを、また、スエードには防水シリコン仕上げを施し、このブランドらしいヴィンテージな味わいを表現しています。また、ソールにはもっか人気のヴィブラムソールやクレープソールなどを多用。とはいえ、重くなりずぎぬよう、堅牢性を犠牲にすることなく軽量化も図られています。

ところで、ことに注目したいのは、不朽の定番「クラシック」ラインのカンペロスブーツでしょう。'80年代に人気を博し、いまなお本国イタリアで高い人気を誇る、このブーツは今回が日本初登場なのです。さらに「リオルナート」や「ピィエ ヴェ ペエラーゴ」などのニュー・ライン、あるいはショップ限定モデルあたりもチェックしておきたいところ。いずれもウエスタンやワークのテイストをベースにしつつ、いまどきの着こなしに違和感なくマッチする最旬ブーツのコレクションなのです。

ブッテロの商品はboqブティックでご購入いただけます。

文:山田 純貴 商品写真:平野 多聞