シェルマンで見つける アンティークの愉しみ Part9 時計愛好家の垂涎の的、ヴィンテージパテック・フィリップRef.2526 トロピカル

これまでこの連載ではRef2526トロピカルやRef.96などに代表されるカラトラバなど、
ヴィンテージパテック・フィリップを語る上で欠かすことのできない珠玉の人気モデルを紹介してきました。
“不変の美”という、いかなる流行にも流されず、
時を越えることのできるシンプルな美しさを兼ね備えたこれらのモデルですが、
今日はそんなシンプルな時計とは対極に位置する
ヴィンテージパテック・フィリップの複雑モデルについてご紹介したいと思います。

小さな時計のケースのなかで、極小のパーツ群が複雑なメカニズムを構成するコンプリケーションウォッチですが、パテック・フィリップの複雑時計といえばそのなかでも別格の存在と言えるでしょう。数年前にオークションで5億3300万円という価格で落札されたプラチナケースのワールドタイムをはじめ、貴族や富豪などのオーダーによって1点製作されたものが多いパテックの時計のプライスはまさに天井知らずに跳ね上がっています。
では、ヴィンテージショップで見ることすら難しくなり、パテック=資産価値を最も強く象徴するこれらの複雑時計は一体何が凄いのでしょうか。
まずは写真のパテック・フィリップRef.130のムーブメントを見てください。
“精緻”という表現がピッタリの美しいムーブメントですが、これはヴァルジュー社製のエボーシュ・ムーブメントを徹底的にブラッシュアップしたものです。
男心をくすぐる見た目にもメカニカルで複雑な輪列構造を持つクロノグラフは機械式時計のなかでも特にファンの多いジャンルですが、これほどまでに繊細で優美な仕上げの施されたムーブメントはなかなかないのではないでしょうか? 
他社製のエボーシュをベースにしながらも、ブリッジは細分化され、脱進機まわりやレバーやバネの強化、4番車に追加ブリッジを設け、クロノグラフ機構へのパワーロスを防ぐ改良など、パテック独自のまったく別のムーブメントへと生まれ変わっています。
また、内部パーツのすべてが吸いつくような驚くほどの滑らかさを誇るクロノグラフ機構を作動するスタート、ストップのプッシュボタンのフィーリングは徹底的なチューニングの集大成といえるでしょう。
もちろん、ヴィンテージパテック・フィリップの複雑モデルの魅力はそんなメカニカルな要素だけにとどまりません。
通常、クロノグラフといえば、大きく厚みのあるケースやプッシャーなど、無骨でハードなデザインイメージがありますが、ことパテックのクロノグラフについてはあくまでもノーブルで優雅なフォルムであり続けています。
ダイヤルについても同じことがいえます。
複雑時計のダイヤルは機構が複雑になればなるほど、表示要素も増えて煩雑になりがちですが、パテックの場合は見事なまでに高い視認性を保つことに成功しています。
美しさまでも兼ね備えたそのダイヤルデザインはパテックならではの意匠といえるでしょう。

こうしたパテックのアンティーククロノグラフはもちろん、これに永久カレンダーにムーンフェイズが付加されたコンプリケーションウォッチとなると、さらに価格は高騰します。タキメーターの有無やリューズのサイズなど、年代によって仕様が異なり4タイプに大別されますが、1941年〜1985年までの44年間でたったの630本が製造されたに過ぎません。そのすべてがオークションのメインアイテムとして世界から注目を集めています。
すべての時計ブランドのなかでも、個人が所有できるトップランクに位置する、こうしたヴィンテージパテック・フィリップの複雑モデル。
手に入れるというより、目にするだけでもありがたい歴史的価値を秘めた傑作をリニューアルしたシェルマン銀座店ではいくつかディスプレイしています。
その気品溢れるデザインと存在感を見ていただくのはもちろん、思わず驚いてしまうクロノグラフのプッシュボタンの押し心地や、操作性をぜひ体感してみてはいかがでしょうか?

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協力:シェルマン