ミカムから読み解く
この秋のシュートレンド。

この秋本格上陸となる伊イタリジェンテ。ワークテイスト溢れるダークブラウンのスエードをまとったボリューミーなフォルムにクレープソール。この秋注目したいこなしだ。参考商品。

世界最大のシューフェア、ミカム。今秋冬の新作が一堂に会した3月のフェアは世界不況の影響で出展社、来場者ともに微減傾向との発表があったけれど、それでも1611社がブースを構え、3万6000人を超える業界関係者が集まったという。取材者泣かせの規模であることには変わりない(笑)、そのフェアからトレンドを占います。

【ドレスシューズ編】
最旬はエッグトウ、
汎用性ならスクエアトウ

 トラッド回帰で久しぶりに日の目を見たラウンドトウ。これ、早くも進化していた。エッグトウがそれ。あまりにぽってりしたフォルムではスーツに合わせにくい。その名の通り、卵のようにシャープな丸みが特徴だ。この軌道修正をソツなく行ってみせたのがバーニーズ ニューヨーク別注の英クロケット&ジョーンズ。新木型363を採用、鼻先の贅肉を削ぎ落としたのみならず、ヒールカップもぐっと小振りに。モダンな顔つきと同時に、履き良さも向上させている。
 次なるトレンドフォルムとして、早くも浮上していたのがスクエアトウだ。サイドにエッジを効かせたそのフォルムは英国紳士靴の系譜に連なるもので、汎用性の高さが魅力。

クロケット&ジョーンズ 7万9800円。
問:バーニーズ ニューヨーク銀座店 TEL.03-3289-1200

シルバノ サセッティ 5万9850円。
問:ワールド フットウェア ギャラリー神宮前本店 TEL.03-3423-2021

【カジュアル編】
ドレス屋がつくる
ワークが面白い

 トラッドの枝葉として今年はイギリスのカントリースタイルはじめ、フィールドにルーツをもつスタイル、靴が注目を集めている。これをドレスシューズを得意とするメーカーが仕掛けてきた。
 乗馬ブーツ、ボアつきブーツはこの秋、いたるところで目にするだろう。中でもビーンブーツをモチーフにした伊シルバノ サセッティはその目の付け所と完成度が出色だった。スマートなフォルム、繊細なステッチ。ドレスシューズならではのスペックが、本来粗野な靴種に洗練を与えている。
 このジャンルの靴はともすると野暮ったくなってしまう。そのエッセンスをうまく採り入れたドレス屋のラインナップはたとえばジャケパンの足元として、やりすぎないドレスダウンを可能にする。

【トピックス編】
レディス、インポーター、
それぞれの大御所からの提案

 この秋の目玉はレディスの大御所、英エマホープが発表したスニーカー。さすがレディスのブランドだけあり、素材やフォルムに見られるフェミニンなこなしがいい。立ち上げは少し前だが、日本ではストラスブルゴがこの秋から本格展開を開始する。
 スニーカーでは久しぶりにミカムに出展したトゥ&コーのマルチカラーの一足も面白かった。80年代のポップな香りがして、世界で認知される数少ないドメブラならではの的を射た一足だ。  フランスの名門エシュンが発表した気鋭のデザイナー、田嶋塁とのコラボレートモデルも見逃せない。パーフォレーション(親子穴)にスターをあしらったそのブーツはこの秋、注目度大だ。  取材段階ではまだ修正中ということで現物を見せられないのが残念だけど、トレーディングポストからは25周年を記念したアニバーサリーモデルがドドドッと登場する。写真は青山本店の店長、保坂浩太が伊アルマスの担当者と打ち合わせているところ。ココンチからはクロコの型押しをブルーで染めた一足が登場する。  トリはハイブリッジインターナショナルの代表、高橋浩のオリジナル、バージニアの初出展だ。2色の糸を撚ったステッチは今はなきハンドソーンによる意匠。世界の靴産地、そのテクニックを知り抜いた高橋だからこそのコレクションは今後、ジャパニーズブランドの台風の目となるかも知れない。嗅覚鋭いファッション業界人がブースに張り付きだった。

エシュン 7万3500円。
問:ジャックオブオールトレーズ TEL.03-3401-5001

バージニア 2万2050円。
問:ハイブリッジ インターナショナル TEL.03-3486-8847

エマホープ 5万3550円。
問:ストラスブルゴ フリーダイヤル0120-383-563

to&co 2万4150円。
問:TO&CO. TEL.03-5467-1692

アルマス 4万6200円。
問:トレーディングポスト青山本店 TEL.03-5474-8725

企画・取材・写真・文:竹川 圭