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JOHN LOBB

2014年4月13日
ジョン ロブ/ウィリアム

ジョン ロブの傑作「ウィリアム」は
ダブルモンクの原点モデルです!

レースアップシューズとストラップシューズ。現在では前者が優勢だからなのか、後者には“足元にこだわりをもつ洒落者の靴”といったイメージがあります。しかし、紳士靴の歴史を紐解くと、じつは近代ヨーロッパでは、両タイプの人気が交互に存在したようです。

 

15世紀のアルプス地方の修道僧(モンク)らが履いた靴が起源とされるモンクストラップシューズなどは、そうした時代の変遷を経て現在に生き残ったデザインだといえますが、その2ストラップタイプとみなされているダブルモンクストラップシューズはというと、じつはモンクストラップとは全くの別系統なのです。

 

飛行士用ブーツがルーツのダブルモンク

 

プレーントウ、ストレートチップ、ウィングチップ、サドルシューズ、チャッカブーツ、ローファー……と、紳士靴には多様なベーシックデザインが存在しますが、そのマスターピースがいずれのブランドであるかが明らかなケースは多くなく、モンクにしてもマスターピースと呼べるモデルはありません。

 

いっぽう、ダブルモンクの起源は明確で、それは英国靴の名門ジョン ロブが1945年に製作した、あるビスポークでした。その靴は「ジョン ロブ パリ」の当時の責任者ウィリアム・ロブ氏が、洒落者としても名高く、ウィンザーカラー(襟の大きいワイドスプレッドカラーのこと)シャツやウィンザーノット(ネクタイの結び方の一種)の名称由来ともなったウィンザー公こと英国王エドワード8世(1894~1972年)のために製作したもので、同公たっての希望から、飛行士の靴、すなわちアビエイターブーツをヒントにロブ氏が編み出したのが、甲サドルにバックル付きのストラップ2本を配するという、ドレス靴では大変斬新なデザインだったのです。

 

そして、これをマスターピースとし、1982年にレディメイド化したのが、モデル名が同氏のファーストネームに由来する名靴「ウィリアム」であるのです。

 

ドレスからデニムまで幅広い“守備範囲”

 

このように「モンク」の名が付いていても修道僧とは無関係であり、むしろミリタリーブーツのエッセンスを濃厚にもつダブルモンクですが、「ウィリアム」についていえば、アウトステッチがコバを全周するオールアラウンドグッドイヤー製法のダブルソールであるなどから、英国カントリーシューズの影響もうかがえます。

 

要はドレス、ミリタリー、カントリーの3要素が結合し、絶妙なバランスでもって収斂した靴。それが「ウィリアム」だということ。それゆえにスーツからデニムまでコーディネートの守備範囲は広く、オケージョンを選ばず履くことができます。

ちなみに、昨今はシンプルなコーディネートが主流になりつつありますが、ダブルモンクなら、そのバックルをもってそうした着こなしの控えめで上品なアクセントになることでしょう。

ジョン ロブ/ウィリアム

英国伝統のオーバルトウを備えた木型「9795」は、カントリーシューズを思わせるボリューム感あるフォルムでありながら、その佇まいはあくまで端正。

 

ジョン ロブ/ウィリアム

左/パンツと合わせた場合、前方のバックルとともに、裾からほの見える後方のバックルも足元のチャームになる。右/カントリーシューズに近似性をもつダブルレザーソールを採用。大ぶりのヒールリフトも歩行安定性に寄与する。

 
  • ジョン ロブ/ウィリアム ブラックカーフタイプ 17万円(税抜)
  • お問合せ:ジョン ロブ ジャパン TEL.03-6267-6010 www.johnlobb.com
  • 文:山田 純貴
 
 

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