BOQ > 連載 > CLOSEUP > > BERLUTI

BERLUTI

2014年3月8日
ベルルッティ/アンディ

ベルルッティのローファー「アンディ」は
エレガントローファーの白眉です

ローファーと聞けば、多くの人たちはその発祥地とされるアメリカのトラディショナルなタイプを思い浮かべることでしょう。しかしパリのメゾン、ベルルッティの「アンディ」は、それらとは大きく趣を異にする“ユーロ”的なエレガントローファーなのです。

 

ウォーホルとオルガ女史との出会いから誕生

 

イタリア中部マルケ州出身のアレッサンドロ・ベルルッティ氏がパリにスゥ・ムジュール(ビスポーク)の靴工房を開いた1895年にベルルッティの歴史は始まりました。

 

その後、英国を代表する洒落者として知られたウィンザー公や、詩人ジャン・コクトーといった著名人からも愛顧賜わるフランス随一のシューメゾンとなるのですが、そうした顧客のひとりに、20世紀アメリカンポップアートの巨人アンディ・ウォーホルがいました。同氏がイヴ・サンローラン(この年、自らのブランドを立ち上げていました)に連れられ、初めてベルルッティを訪れたのは1962年のこと。

 

このとき対応したのが、4代目当主のオルガ・ベルルッティ女史でした。ウォーホルと意気投合した女史は、彼のために靴をデザイン。1年後に完成したそれをウォーホルはいたく気に入ったそうです。そして、これが後年、同氏のファーストネームをモデル名に冠して復刻されたローファー「アンディ」の原型となったのです。

 

黒に潜む色彩の妙を引き出すパティーヌ

 

世に傑作と謳われる靴はさまざまありますが、「アンディ」ほど興味深いエピソードをもつ靴はそうそうありません。それも、なんとも華やかでインパクトある誕生秘話ではありませんか! 加えて、先述したようにアメリカンスタイルのローファーとは一線を画した、ロングノーズのエレガントなスリッポンにおける先駆であるという点においても重要な存在なのです。

 

と、そんなエポックメイキングな名靴から、ここではシャープでスタイリッシュな木型が採用された「デムジュールコレクション」の1作を取り上げてみました。アッパーは定番素材「ヴェネツィア・レザー」で、カラーはネロ(黒)。とはいえ、単なるネロではなく、これまたベルルッティのアイコンともいえるパティーヌ仕上げにより、繊細な階調が表現されており、「黒がこんなに美しいものなのか!」と驚かされるのです。

ベルルッティ/アンディ横

直線と曲線を巧みに組み合わせたパターンや、シャープなシルエットなどにより、完成度は高いが、伝統的なローファーと全く印象の異なるスタイルに結実している。

 

ベルルッティ/アンディ真上、ソール

ネロ(黒)でありながら、パティーヌで表現されたニュアンスある濃淡が繊細で美しい。本底にもパティーヌが施され、そこにブランド名がネール打ちされているのも粋だ。

 
  • ベルルッティ/アンディ 22万5000円(税別)
  • お問合せ:ベルルッティ・インフォメーション・デスク TEL.0120-203-718 www.berluti.com
  • 文:山田 純貴
 
 

onlineshop