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RYOTA HAYAFUJI SHOEMAKER

リョウタ ハヤフジ シューメーカーの靴

英国の端正とフランスの粋にドイツの
コンフォートと日本の繊細が豊かに融合

これは本当に日本の職人が作ったものなのか? 2012年3月から独ミュンヘンで工房を営んでいるビスポークシューズの職人、早藤良太さんが製作したサンプルを目の当たりにしたときの、これが筆者の最初の印象でした。

 

ボルドーのクォーターブローグと穴飾りのない黒のウィングチップ。前者はセミスククエアで、後者はラウンドとトウのシルエットは違えども、20世紀前半に作られたビスポークを彷彿させる粋でノーブルな木型である点は同じです。

 

昨今、日本の職人たちによるビスポークに高い評価が集まっていますが、それらに共通するのは“生真面目さ”であると思うのです。早藤さん作が不真面目というのではありません。細部まで破綻なく繊細、かつ妥協なく作られている点は十分に日本的です。が、木型には異質なものがあり、繊細で、どこか懐かしいそのフォルムが、早藤さん作を際立って個性的な靴にしているのでしょう。しかも、実はドイツ仕込みのコンフォートでもあると聞いて、ますます興味をもちました。

 

キャリアから生み出された独創性

 

1972年、北海道生まれの早藤さんが某高級靴チェーンの販売員を経て、靴作りにかかわるようになったのは27歳のとき。元来英国好きだったことから渡英を決意し、ロンドンのコードウェイナーズカレッジに入学。平行してあるビスポーク職人に師事もしました。

 

卒業後はフランスに移り、パリのとある工房でさらに研鑽を積み、帰国後の2004年から東京・青山の高級セレクトショップでリペアを担当。やがてビスポークを手掛けるも「木型を起こしていくうちに足底のアプローチに対する関心が高まって」(早藤さん)、その理論を会得すべくドイツに渡り、オートペディックシューズのリペアに従事したというのです。

 

なんとも奔放にも見えますが、実は気まぐれではなく、むしろ折々で次のステップに向けて地道に資金稼ぎに勤しむなど、自らに課した目標を揺るがすことなくそれを実現すべくたゆまず努める堅実家なのです。

 

じかに見れば納得できる際立つ個性

 

今回紹介の2型。早藤さん曰く「どちらも木型は教会などの建造物や美術作品などからインスパイアされ製作したもの」なんだとか。また、英国トラッドのパターンやドイツのコンフォートをベースにしつつ、そこに「フランスのベルエポック的ニオイを加えている」とも。そう聞いて「なるほど!」と筆者は納得できたのですが、皆さんはいかがお感じですか?

 

よくわからないという方は一度、じかにサンプルをご覧になることをお薦めします。早藤さんの拠点はミュンヘンですが、折々で東京・原宿の英国古着店「オールドハット」でオーダー会が開かれており、そのときがチャンスです。ちなみに製作期間は仮縫いを含み10カ月~1年で、製作費は36万7500円~となっています。

リョウタ ハヤフジ シューメーカーのアウトソール

優美で、スポーティにも見える木型をさらに粋なものにするスラントタイプのピッチトヒール。これも旧き佳き時代のビスポークを思わせるディテールだ。

2013.06.09 UPDATE

 
  • RYOTA HAYAFUJI SHOEMAKER(リョウタ ハヤフジ シューメーカー)
  • クォーターブローグオックス(写真手前)、ウィングチップ(奥) 価格は共に応相談
  • お問合せ:RYOTA HAYAFUJI SHOEMAKER TEL.0049-0ー89-23545757
  • オールドハット TEL.03-3498-2956 oldhat-jpn.com
  • 文:山田 純貴 写真:新城 孝
 

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