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既成靴に登場した”最後の大物”フォスター&サン

2019年6月8日
フォスター&サン ハイクレア

既成靴に登場した”最後の大物”フォスター&サン

ロンドンの高級靴ブランドには、ビスポーク靴専業であったブランドが多く、今年2019年に既成靴を発表した『フォスター&サン』もまた、そうしたブランドのひとつです。
 

フォスター&サン インソック

ロンドンのジャーミンストリートに店舗とビスポーク靴の工房を構える『フォスター&サン』は、1840年の創業以来、チャーリー・チャップリンや、フレッド・アステア、クラーク・ゲーブルらをはじめとする世界中のセレブリティを顧客に、エレガントなビスポーク靴を作り続けてきた英国屈指の名門です。また、現在はこれまた名門のヘンリー マックスウェル(創業1750年、最古の歴史をもつ靴ブランド)を傘下に収め、同ブランド名義の靴も取り扱っています。まさに名門中の名門ではあるものの、ここ日本では知る人ぞ知る存在でした。
 
その名門が、このほど英国ノーザンプトンに既成靴専用の工場を新設し、自社生産による既成靴をスタートすることに(これまでも既成靴はありましたが某英国靴ブランドによるOEM生産)。ちなみに、ノーザンプトンで新しい靴工場が出来るのは、なんと30年ぶりだとか。また、この新工場建設は日本の総合商社、双日株式会社との共同出資により実現したもので、子会社の双日ジーエムシー株式会社が日本およびアジア全域におけるフォスター&サンの輸入販売を開始し、いずれは、日本旗艦店の開設も予定しているというから、靴好きにはたまりません。
 
さて、179年にわたりビスポーク靴を作り続けてきた工房が、自社のアーカイブをもとに開発した既成靴なのですから、製品に対する期待は、否が応にも高まるばかり。そのみごとなクォリティは、写真のキャップトウからも十分にうかがうことができます。
 

フォスター&サン トウシェイプ

製品を見ますと、英国のトラディショナルなパターンを踏襲しながらも、全体的にシャープでモダンに見えます。その理由のひとつが木型にあります。エッグトウながら、その丸みを保ちつつ前方に向かって緩やかに傾斜する、いわゆるラウンドチゼルトウであり、ボールジョイントからトウにいたるアウトラインが直線的で、サイドウォールがラウンドながら垂直に屹立。こうした点が今日的英国靴の雰囲気を醸している理由なのです。また、細部を検証すれば繊細このうえなく、丁寧で卓越した手仕事がうかがえます。
 
英国ノーザンプトンの質実剛健さを備えつつ、ビスポーク靴由来のエレガンスも併せ持つ『フォスター&サン』の既成靴は、ビスポークアトリエならではの感性やノウハウが巧みに生かされた極上靴に仕上がっています。靴好きなら注目しない訳にはいきませんよね。

 
  • FOSTER&SON(フォスター&サン)
  • ハイクレア(キャップトウ)135,000円(税別)
  • お問合せ:双日ジーエムシー TEL.03-6894-5583
 
 

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