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TAKAYUKI MARUYAMA Handmade Shoes

2013年3月24日

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丸山貴之氏のパターンオーダー靴専門店が銀座にオープン

3年前、このコーナーで神田大喜靴店のパターンオーダーシューズを紹介したことがありました。その製作は同店専属の職人、丸山貴之氏が担っていたのですが、実はこのたび、同氏が独立。去る3月4日、銀座2丁目の昭和通り沿いに店舗兼工房の「TAKAYUKI MARUYAMA HANDMADE SHOES」をオープンしました。同氏は1975年、千葉県柏市生まれ。某大手衣料量販店を退社後、製靴学校で学び、再就職先の某大手靴メーカーで商品企画に従事しつつ、プライベートで手縫い靴の技術に磨きをかけ、かの津久井玲子さんのもとに通うこともしました。ちなみに前述の神田大喜靴店で靴づくりをはじめたのは2006年のこと。また、現在は自らの店に加え、東京・銀座のテーラー「ブレス」でも常時、オーダーを受け付けています。

 

パターンオーダーながら多様なニーズに対応

その丸山氏の靴はいわゆるパターンオーダーで、注文者は店でトライアルシューズ(D、Eの2ウィズを用意)に足入れをしてサイズ&ウィズを決め、写真の2型を含む計11型のデザインから好みのタイプを、また、アッパーの色と素材を選択し発注。2~3カ月後に出来上がる(2013年3月現在)システムです。木型は足形に合わせて乗せ甲などで調整。両足の大きさが違う場合、左右で異なるサイズで製作も可能です。また、アッパーは希望すればクロコなどエキゾチック系も選択でき、底材はレザーソールのみならずダイナイトソールなども用意。さらに、アップチャージで仮縫いやデザインオーダーも可能とのことです。

 

高い技術に裏打ちされた手仕事で製作

パターンオーダーというとグッドイヤー製法であることが少なくありませんが、丸山氏の靴は古典的なハンドソーンウェルテッド製法をベースに、出し縫いのみ機械縫いの、いわゆる九分仕立てで作られます。つまり履き心地を左右するすくい縫いは手縫いゆえ、履き始めから足に馴染み、靴自体も軽く屈曲性もよいものに仕上がるのです。しかもラスティング(木型を使った成型)も長期間を要するハンドラスティングなので、靴を人の足形に近い、より立体的な形状にすることが可能。歩行中の甲浮きを防ぐべく一の甲は低く、同時にフレキシブルな履き心地にするため、二の甲→三の甲→トップホールと向かうにつれて高く……と、ハンドラスティングの、それもとりわけ優れた技術があってはじめて可能な形状にしているのは、丸山氏の高い技術力のひとつの証左でもあります。とはいえ価格は比較的親しみやすい設定。「既製靴の延長としてとらえて欲しい」との丸山氏の言どおり、靴通のみならず、シューズオーダー入門者にもカジュアルな気分で楽しみながらオーダーできるシステムが嬉しいのです。

 

タカユキ マルヤマ ハンドメイド シューズ

オーダー価格12万3900円~ ※写真2型はオーダーサンプル

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美しいアールシルエットを見せるヒールカップは、ハンドラスティングならではのディテール。これがかかとを心地よくくるみ、歩行時のかかと浮きを防ぐのだ。

 
  • お問合せ:TAKAYUKI MARUYAMA Handmade Shoes TEL.03-6264-1854 ※水曜定休
  • ブレス銀座店 TEL.03-3289-8778 ※水曜日定休
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  • 文:山田 純貴 写真:新城 孝
 
 

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