BOQ > 連載 > Shop Around > Archive > ドイツマイスター眼鏡院

ドイツマイスター眼鏡院

2015年6月20日
ドイツマイスター眼鏡院

正しい眼鏡で顧客を幸福に導く、青山の若き名店!

 

アイウェアはファッション・アクセサリーとしての側面をもつアイテムでもあるため、ファッションの中心地である青山・表参道には著名な眼鏡店が多く集まっています。今回は、このエリアに2014年に開店して以来、眼鏡好きのみならず眼鏡業界でも話題となっている「ドイツマイスター眼鏡院」を訪問しました。

 

世界一厳しい眼鏡作りの資格を全員が取得

 

この店の特長は、代表の中西 謙太氏(以下「謙太氏」)、弟の中西 広樹氏(以下「広樹氏」)そして広樹氏の奥様であるステファニーさんのスタッフ3名全員が、店名通り『ドイツ国家公認眼鏡マイスター』の資格を有している点でしょう。モノづくり大国ドイツの根幹となっているのが、各分野に設けられているマイスター制度です。眼鏡の製作や販売に関しても同様で、その歴史は13世紀に始まり、今日でもドイツで眼鏡店を開くには必ずこの資格が必要なのです。

 

カリキュラムは眼鏡や目のみならず、身体の各部位の解剖学や薬学、さらには心理学や経営学まで多岐にわたり、実務をこなしながらそれらを履修します。そのため、資格獲得までの道のりは長く、およそ10年もの歳月が必要です。意気衝天なドイツ人であっても多数の脱落者が出るほどで、間違いなく世界で最も厳しく、そして最も信頼できる眼鏡作りの資格でしょう。実は謙太氏は日本人最年少で資格を獲得。兄弟でこの資格を取得したのは日本初。この店の3人以外に日本でドイツ国家公認眼鏡マイスターを有するのは、わずか2名のみなのです。

 

時間をかけて目そして脳の動きをチェック

 

そんな彼らの真価が如何なく発揮されるのが測定、視力検査プロセスです。まず問診から始まり、職業や趣味、車の運転をする、しない、服薬の有無、パソコンやスマホの閲覧時間、それに日頃何か困っている症状の有無まで念入りにヒアリングします。「頭痛や肩こり・立ちくらみ、目には直接関係無さそうなことまでお伺いしますが、結構これが大切なのです。どのような目的に用いる眼鏡を作製するかの基礎情報ですから」

 

そして実際の測定、視力検査に移りますが、この店では単純に目でどう見えるかと言うより、それを通じ「脳」がどのように画像を処理しているのか、そして、どれだけそこに負担をかけているのかまでチェックするため「両眼視検査」と呼ばれるものを、なんと約1時間弱もかけて行います。この「両眼視検査」という言葉は、昨今、他の眼鏡店でも耳にするようになりましたが、この検査の核となる「ハーゼ理論」はドイツで体系化されたものであり、本場ドイツで直々に学び国家資格を得た彼らだからこそ、それを完璧に実践できる訳です。

 

その両眼視検査を、私も広樹氏にしていただきました。あまりに専門的なので詳細は省略しますが、動く指を追ったり検眼鏡を掛けつつ縦棒と横棒の立体感や「ゆらぎ」の方向を確かめたりと、小学生の頃から眼鏡を掛けている筆者でも、ここまでこと細かにチェックしてくれた眼鏡店は初めて! コンピューター制御のマシンで視力測定するだけのお店とは、あまりにレベルが違い過ぎます。お世辞ではなく世界が広がって見えたのには感動でした!

 

当然レンズやフレームも用途に応じ厳選!

 

「でもこれは、あくまでチューンし切った『理論値』ですので、用途に応じた『理想値』を追求して、さらにはこの先がもっと肝心です」 広樹氏が言うには次のステップ、すなわちレンズの選択も眼鏡店の良し悪しが顕著に出る領域なのだとか。「むやみやたらに一番最先端とか最新のレンズを勧めてくるお店もありますが、私達は決してそうはしません。それが『そのお客様にとって、その用途で最適なパフォーマンスを発揮するレンズである』とは限らないからです」

 

だからこそこのお店では、スマホの使い過ぎで目の疲れが取れない人向けに、目の調節力を補助する「アシストレンズ」など、用意するレンズも多種多様。取り扱いブランドは、ドイツの名門カール・ツァイスがメインです。そして、フレームもファッション性を加味しつつ、日本人の顔型に合わせられ、日本人が掛けてもズレにくいフレームを厳選してます。あらかじめチューンアップした状態で店頭に出されていますが、もちろん最終調整にも抜かりありません。他店には無い、かなり斬新な発想で作られているものもたくさん見つかりますよ。

 

眼鏡の製作は昔から半医半商

 

それにしても中西兄弟は何故ドイツにまで、しかも共に10年近く掛けてまで眼鏡を学びに行ったのでしょうか? そんな素朴な疑問に謙太氏はこう答えてくれました。「実家が兵庫県で宝飾・時計・眼鏡店をやっていまして、眼鏡を作り販売するのはお客様に健康を提供する、医療と同様の行為なのだと小さい頃から聴いて育ちました。家業を継ぐにあたってそれを突き詰めたかったのですが、日本にそのような場が全くない。となると理論が飛び抜けていて、教育体制が整っているドイツに行くしかなかったのです」

 

「目は言わば表出した『臓器』そして『脳』の一部です。だからこそ大切に取り扱って欲しいのです。量販店では短時間研修を受けた人がコンピューターで視力しか調べないじゃないですか。これは無資格医療と同じくらいに大問題なのに、多くの方が『こんなもんだろう』と諦めてしまうのが、もう悔しくて。」日本のフレーム製作技術は抜群なのに、肝心の眼鏡店に測定、視力検査やレンズ・フレームの選択と調整のノウハウが完全に欠落している点に、危惧の念を抱いたそうです。

 

視力だけではない「快適さ」を追求

 

すかさず広樹氏も続けます。「私の妻(ステファニーさん)が初来日した時にカルチャーショックを受けたのが、日本人の眼鏡の掛け方でした。あるべき位置より下がった状態で眼鏡を掛けている人ばかり。『なぜ日本人は若い人でも老眼鏡を掛けているの?』と問われ、答えに窮しました。しかし、それが東京に出店する原動力にもなったのです。」兄弟のお話はドイツ留学経験者だけあり理路整然、しかも目や眼鏡で困っている人に救いの手を差し伸べたいと言う熱い思いに溢れています。

 

「引退を覚悟された手芸の先生が現役を続行できることになったり、車の第二種免許がなかなか取れず、半ば諦めていた人が一気に合格できたなど。お客様から、そんな話が聞けると、やっぱり嬉しくなります。諦めていたものが眼鏡のおかげで可能になって、お客様の生活がより充実するのですから。」 そう、ここで作製された眼鏡で得られるものは、単に視力だけではないのです。『良く見える』を遥かに超える『快適に楽に見える』を可能にするドイツマイスター眼鏡院は、目や眼鏡のことでお悩みの方はもちろん、一見、目や眼鏡が原因とは考えにくい症状にお悩みの方にとっても、救い手になってくれる筈です!

ドイツマイスター眼鏡院

ネジ・ヒンジそしてケースも含めて全て木で製作されるドイツのブランド。年間を通じ僅か250本程度しか製作できないものの、優しい掛け心地はリピーターになること確実。価格は店頭にてご確認を。

 

ドイツマイスター眼鏡院

同じくドイツのブランドだが、こちらはネジが存在せずロウ付けも一切なされていない驚異的な構造を有する。つまり緩むリスクのある接合部品を全く用いていないので、絶対に緩まない! 税込みフレーム価格 青:5万2920円 グレイ:4万9680円

 

ドイツマイスター眼鏡院

アメリカンカルチャーに影響受けつつも、どことなく懐かしさを感じさせてくれるデザインが特徴の日本のブランド。精度に優れた作りで掛け心地の良さには定評がある。 税込みフレーム価格 いずれも5万6700円

 

ドイツマイスター眼鏡院

向かって右から、代表の中西 謙太氏と弟の中西 広樹氏そして広樹氏の奥様であるステファニーさん。3人全員がドイツで眼鏡店を正式に開業できる「マイスター」の資格保有者。技術力が確かなだけでなく、視生活=眼鏡とのより充実した付き合い方まで的確にアドバイスしてくれます!

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院

 

ドイツマイスター眼鏡院
 
  • ドイツマイスター眼鏡院
  • 〒107-0061 東京都港区北青山2-12-27
  • TEL.03-6804-1699
  • meister-gankyouin.com
  • 営業時間:11:00~20:00
  • 定休日:毎月第3月曜日
  • 文:飯野 高広
 
 

onlineshop