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独自の世界観により彩りを添えるWFG マエストロ オーダーサロン

2018年3月5日

WFG マエストロ オーダーサロン
 

独自の世界観により彩りを添える
WFG マエストロ オーダーサロン

1979年の創業以来、独自の目線で世界中の良質な靴を提供し続けているワールドフットウェアギャラリーだが、神宮前本店の2階にオーダーサロンがあることはまだあまり知られていない。2017年1月に本格的にスタートした「WFG マエストロ オーダーサロン」には、2人の靴職人と1人の鞄職人が手掛ける3ブランドが集結している。サロンは自然光がふんだんに降り注ぐ、ゆったりとした空間で、型、素材選びの楽しみを堪能できる。またここをアトリエとして使っている職人もいるので、実演も見ることができるのだ。今回はこのオーダーサロンに足を運んで、ワールドフットウェアギャラリーが提案するオーダーの世界を覗いてみた。
 
 

息を飲む艶っぽさと独創性
生見司~TUCCHINO

WFG マエストロ オーダーサロン
 
まずは、福岡と東京を中心に活躍する鞄職人の生見司(いきみつかさ)さんが手掛ける、完全手縫いの鞄ブランド「TUCCHINO(ツキーノ)」。生見さんは元グラフィックデザイナーという異色の肩書きだが、彼の作る鞄のデザインも独創的なものが多い。

ブリーフケースなどのベーシックな鞄は彼とアトリエの職人が手掛けているが、ダブルステッチによる完全手縫いの鞄は生見さん一人ですべての工程をこなしている。完全手縫いというのは文字通りミシンを使わず手で縫い上げる製法で、一切妥協しないこだわりが集約されているのだ。

ボクが初めて「ツキーノ」の鞄を見たのは彼のデビュー作として有名な「メダリオン」だった。ウイングチップシューズの特徴的なディテールを鞄に取り入れたユニークな鞄で、とても印象に残っている。このユニークな発想は現在でも継続されていて、「風神雷神」が浮かび上がっている立体削り出しの鞄はGINZA SIXでも人気が高いという。最高品質の、しかも独創的な鞄を探している方にはおすすめ。

サロン内にサンプルが置かれているので、デザインや作りを見ることができる。フルオーダー、パターンオーダーで展開。価格15万円位~。30万円台の価格帯が中心。
 
 

抜群の色出しと美しい艶
藤澤宣彰~Floriwonne

WFG マエストロ オーダーサロン
 
藤澤宣彰さんは日本では数少ない革製品のカラーリスト(色付け師)だ。もともとワールドフットウェアギャラリーで販売スタッフとして働いていたのだが、あるときパリのシューケアメーカーとして知られるコルドヌリ・アングレーズ(シューツリーが有名)のスタッフが来日し、本場パリの染め替え(いわゆるパティーヌ)の技術を教わった。それをきっかけに染め替えの楽しさに目覚めたというわけだ。その後はコロンブスに8年間籍を置いて、2013年に独立。コロンブスの「ブートブラック」ブランドの立ち上げを任されたことでも知られている。

WFG マエストロ オーダーサロン

染め替えをやり始めた当初は思う色が出ずに苦労したそうだが、現在では自ら調合した染料を用いて見事に染め替えている。オーダーサロンでは自らのシューズブランド「Floriwonne(フローリウォネ)」を展開。ブランド名は「花」の学術名と「至福」を表すドイツ語を組み合わせたもの。同ブランドの最大の特長は、レディメイドのホールカットをベースに、パーツをプラスしたり加工することで、モンクストラップやセミブローグなど様々なデザインにすることができ、色も注文に応じて好みの色を指定できる。しかも、非常に短納期で仕上がるので、気軽にオーダー靴を楽しむことができるのだ。

WFG マエストロ オーダーサロン

レディメイドとフルハンドによるビスポークを展開。レディメイドはグッドイヤーウェルテッド製法で、価格8万2000円+税。基本の型はホールカット(プレーントウ)。オプション料金でモンクストラップやギリーシューズにもできる。

もちろんこの価格にはパティーヌ料金も含まれている。お気に入りの色を付けてくれるのだ。靴に表情を持たせたいという方にはおすすめしたい。
 
 
 
 

秘めた実力が叶える美しいフォルム
セイジ マッカーシー~SEIJI McCARTHY

WFG マエストロ オーダーサロン
 
アメリカ東海岸出身のセイジ マッカーシーさんが靴職人になった経緯はユニークだ。アメリカでビジネスコンサルタントなどを務めていたが、スニーカー好きだった彼はアディダスのスニーカーのデザイナーになろうとミラノでデザインの勉強をする。しかしベルルッティの靴に出会い、ドレスシューズに導かれていく。ロンドンでハンドソーンウェルテッド製法を習得し、ドイツで修業の日々。しかし思うような靴には至らず、来日しHIRO YANAGIMACHI Work Shopのトレーニングプログラムに参加し、底付け、ラストメイキング、パターンメイキングを完全に習得するのだ。

WFG マエストロ オーダーサロン

彼の目指す靴はコンテンポラリークラシック。イギリス靴のような端正なフォルムの中に美しさを感じさせてくれる。彼曰く「クリーンで、ピュアなデザイン」が特徴とのこと。
ステッチのカーブ一つとっても、熟慮されて導き出された線であることが見てとれ、そうしたディテールが積み重なり生まれるハーモニーこそが、彼が作り出す靴の個性なのだ。
余談だが、彼はスタンフォード大学を卒業し、インシアードでMBAを取得している。この人にとって世界は狭いのである(笑)。

 

WFG マエストロ オーダーサロン

Made-to-Order:ハウスラストを使用。フィッティングなし。新デザイン有料。価格20万円程度
Made-to-Measure:ハウスラストを修正。フィッティング1~2回。新デザイン有料。価格24万円程度
Bespoke:ラスト(木型)をフル加工。フィッティングは無制限。新デザイン無料。価格34万円から
共通:フルハンドメイド(ハンドソーンウェルテッド製法)、カスタマイズ無料、シューツリー付き。

もちろんこの価格にはパティーヌ料金も含まれている。お気に入りの色を付けてくれるのだ。靴に表情を持たせたいという方にはおすすめしたい。
 
 
靴や革製品の魅力的な職人が集まったのもワールドフットウェアギャラリーならではの選択眼によるものだろう。職人から話を聞きながら、作業風景やサンプルを見て、後日オーダーされる方も多いという、敷居の高くないオーダーサロンというのも注目。特に藤澤さんとセイジさんはサロン内のアトリエで作業していることが多いので、実演を見てから決めることができる。ただ毎日在席しているわけではないので、予約をとってからが賢明だ。
 
 

ワールドフットウェアギャラリー神宮前本店
東京都渋谷区神宮前2-17-6 神宮前ビル1F WFG マエストロ オーダーサロンは2F
TEL.03-3423-2021
営業時間11:00~20:00 無休(年末年始除く)
www.wfg-net.com

 
 

文:倉野 路凡


 

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