独自の美学に宿るエレガンス。アルミニの美しき靴たち。
アルミニメソッドでの靴製作風景がYouTubeでご覧いただけます。
独自の美学に宿るエレガンス
アルミニの美しき靴たち
今回はワールド フットウェア ギャラリー GINZA SIXで開催されたイタリアのシューズブランド「アルミニ」のオーダー会のレポートです。アルミニが採用する謎の製法“アルミニメソッド”を実際に見れるとあって、お話を伺ってみることにしました。
他とは一線を画す卓越技が満載の製法
アルミニはイタリア・ミラノで1921年に創業した歴史あるメーカーです。元々サッカーシューズに始まり、現在はアラブ諸国向けのサンダルが中心で、高級サンダルの印象が強いメーカーでしたが、4代目当主であるアレッサンドロ ルッジェロ氏の提案から2016年にドレスシューズ「アルミニ」がスタート。このブランドの最大の特徴は、アルミニメソッドという独自の製靴法を採用している点にあります。
写真は4代目当主アレッサンドロ ルッジェロ氏
このアルミニメソッドとは、最初にアッパーと中底を裏返しの状態で縫い合わせ、それをひっくり返して本底につけるという製法で、本底を付ける工程はハンドソーンウェルテッド製法とほぼ同じです。実はこの製法、ハンドソーンウェルテッド製法のルーツであり、現在、この製法で靴づくりを行っているのは世界でもアルミニだけなのです。
このユニークな製法の導入により、土踏まずを包むがごとく柔らかくフォローしつつ、足全体が靴に吸い付くかのような独特の履き心地のコンフォートな靴ができあがるわけです。筆者も試し履きもしましたが、靴というより日本の足袋のような履き心地です。
美しさを極める透明感あるカラーリング
また、今回は工場長のジョバンニ グラツィアーノ氏が手仕事で色付けを施す実演も行われていたのですが、筆で同じ場所を丁寧に塗り重ねていく姿は、これまで見たことのあるカラーリストとは全く違うやり方です。聞けば、アルミニでは一般に使用される色がのりやすい油性染料ではなく、あえて色がのりにくい水性染料を使ってカラーリングを行っているそうです。理由は水性染料であればゆっくり染料が革に入るため、なめらかなグラデーションが表現でき、透明感があり自然な階調に仕上がるためです。半面、非常に時間がかかるため、普通なら採用しない方法です。現在、工房は5人体制で日産わずか5足ということですが、これならその数も納得です。
アルミニメソッドがもたらす群を抜いてソフトな履き心地は、もっかのファッショントレンドである「快適さ」「軽快さ」ともマッチし、今後「アルミニ」の人気が高まっていくことは間違いなさそうです。気になる人はワールドフットウェアギャラリーGINZA SIXでぜひ実物を手に取ってみてください。
お問合せ:ワールド フットウェア ギャラリー GINZA SIX TEL. 03-6263-9991
2018.03.28 UPDATE
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