自分らしさはボタンでカスタマイズ。クオリティと遊び心を追及したミタケボタンの提案
第11回 ミタケボタン
自分らしさはボタンでカスタマイズ。
クオリティと遊び心を追及したミタケボタンの提案
服飾品のひとつとしてボタンにこだわり、人と違うモノをもとめる上級者が増えつつあるそうです。とはいえ、既製服に初めから付いているボタンを付け替える人はまだまだ少数派。また、ミシンが各家庭にあった時代には、街にボタン専門店があったものの、現代においてはボタン専門店が世の中から姿を消してしまいました。
そんな中にあって稀有な存在が、1946年に銀座で創業したボタン専門店「ミタケボタン」です。品揃えの中心はヨーロッパからの輸入ボタンで、現在は無くなってしまったメーカーのヴィンテージボタンや、コレクター垂涎の貴重なアンティークボタンもそろい、その数はなんと1万点以上。なかでも今回注目したのはミタケボタンのオリジナルボタンです。
インスピレーションの源は新旧のファッションから
デザインしているのはミタケボタンの代表であり自称「ボタンニスト」の小堀さん。オリジナルボタンは過去の名品からの影響も大きく、とくにメタルボタンではそれが顕著です。例えばリバリーボタンを現代に蘇らせた「究極のボタン」は、デザインされた馬の毛並みまで緻密に表現されています。現代ではここまで細密なボタンをつくれる職人はごくわずか。職人が高齢なため作れるうちにと実現したそうです。
リバリーボタンとは100年~200年前のイギリスで、貴族の使用人の制服につけた紋章入りのボタンのことで、当時、貴族にとって使用人は「見せる」存在でもあり、デザイン性の高い細密な作りのボタンがつけられた。
また、最新トレンドからインスピレーションをうけたボタンもあります。愛らしい表情のスカルボタンは、ハイブランドや高級時計でもスカルモチーフが人気を博しているなか、シャツの第1ボタンや、ジャケットの袖口のアクセントとして考案されたものです。製作しているのは京都や奈良の専門の職人で、ひとつひとつ手彫りでつくられています。いずれも高齢で後継者もいないため、こちらもいつまでつくれるか分からないそうです。
このように過去の名品から、最新トレンドまで、インスピレーションの源はさまざまですが、オリジナルに込める想いは共通しているそうです。小堀さんいわく、『既製服につけるボタンは服の一部であり、当然かけられるコストも天井があります。ミタケボタンのオリジナルは、そういったものの上を目指したいと思っています。』とのこと。
世界的にも稀有な存在のボタン専門店
現在、昔ながらのつくりのボタンが、作り手の高齢化や後継者の不在で消えつつあります。ミタケボタンのオリジナルは、そうした消えつつある技術によりつくられており、海外から来店する客もあるそうです。
ボタン自体は小さなものですが、洋服全体にあたえる影響は大きく、ボタンにこだわると、あるものを着るのではなく、自分の理想のスタイルを作っていく面白さがあります。また、数年ごとにボタンを替えれば新鮮な気分になり、愛着をもって着つづけることができます。洋服好きであれば、ボタンにこそこだわってほしいと思うのです。
ロケ写真:新城 孝
2017.06.03 UPDATE
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