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日々手にする時計ベルトで、オーダーメイドの醍醐味を気軽に堪能

2016年10月9日

ジャン・ルソー レディメイドの時計ベルト

写真は左からシャーク、リザード、ラバー、グレインカーフ、ガリューシャのレディメイドの時計ベルト。

第5回 JEAN ROUSSEAU

日々手にする時計ベルトで、
オーダーメイドの醍醐味を気軽に堪能

時計ベルトで有名なフランスのジャン・ルソーは、すでに日本の時計愛好家の間でも人気だが、じつはオーダーメイドも展開している。既製の時計ベルトにはない色を選べるというだけでなく、長さやステッチの色なども自分好みにオーダーできるのである。しかも既製品の10%アップというコストパフォーマンスでオーダーすることができるのだ。
 

時計ベルトの着替え

新たに時計ベルトをオーダーされたお客様のパテック フィリップ。手前が新調前の純正ベルト。
マットブラウンのベルトをシャイニーなグレーに変えると時計の印象も都会的な印象に。


 

ジャン・ルソーは1954年にフランス中東部ブザンソンに設立。名だたる時計メーカーにベルトを提供してきたレザーストラップのマニュファクチュールだ。1990年代以降になめしを行う製革工場を同地に設立し、原皮の調達から染色、仕上げまで自社内で行っている。なかでも革のロールスロイスと呼ばれるルイジアナ産のアリゲーターは同社を代表する素材で、95%以上自社製という比率を実現。安定した高品質とカラーバリエーションの豊富さは自社工場だから可能ともいえる。また、皮膚科、アレルギー科医の協力のもと、すべての製品に非アレルギーを保証している稀有なブランドでもある。
 

時計ベルトの着替え

レディメイドの時計ベルトや小物、バッグがディスプレイされた”アトリエ ジャン・ルソー東京”の店内。
最奥がアトリエ。銀座店には職人が常駐しているので、オーダーに際してきめ細かいアドバイスが受けられる。


 

さて、既製品はブザンソンにある自社工場で一貫生産されているが、オーダーメイドのベルトは日本のジャン・ルソーのアトリエ内で、熟練の職人が丁寧に一点一点作っている。たとえば弱めのフィット感や柔らかめの仕上げ(中の芯地の硬さを調整できる)にしてほしいといった、微妙なさじ加減を正確に伝えやすいなど、日本ならではのメリットもあるのだ。もちろん素材はフランス本国と同じ上質なものを使用している。
 

時計ベルト形態のバリエーション

見本から時計取り付け部の形状やフォルム、取り付け方法、ストラップの厚さを選択できる。


 

ルイジアナ産アリゲーター

美しさと品質ともに圧倒的な人気を誇るルイジアナ産アリゲーターの素材。


 
 
 

作り手と作り上げる特別仕様の時計ベルト

では、オーダーの流れに沿って説明していこう。ジャン・ルソーといえば最高級のアメリカ・ルイジアナ産のアリゲーターがとくに有名だ。オーダーメイド用に用意されたルイジアナアリゲーターの色数はなんと300色以上(東京以外の世界規模だと300色以上に)!ブリリアント(光沢あり)とセミマット(光沢なし)があり、さらに女性向きにラメ(パール)入りのものも用意されている。


 
オーダーされるユーザーの多くは高級時計の愛用者であるが、付属の高品質な時計ベルトでは満足できず、ルイジアナアリゲーターをオーダーするのだ。その理由は純正ベルトの色数の少なさと、日本人の細い手首にはフィットしにくいサイズ感だという。

 

アリゲーターベルト

時計ベルトの幅に合わせステッチも入った革見本を時計にあてがい表材とカラーを選択。
自社で染め上げたアリゲーターレザーは圧倒的バリエーションを用意。


 
 
2番目に人気なのがスポーティな印象のシャークだ。他にもガリューシャ、カーフ(型押し)、カーフがある。
革以外ではサテンやラバーも展開している。

 

素材バリエーション

実際に時計に付けた姿がイメージしやすいように時計を模した金具についたベルトの見本。
手前から左からアリゲーター、ガリューシャ、シャーク、アリゲーター、アリゲーター。


 
 

内側に使う裏革は10色以上を用意。一般的な革以外に、表革と同様にアリゲーターやシャークのライニングをお願いすることもできる。表と裏で色の異なる両面アリゲーター仕様にするとさらに高級感が漂い、とてもお洒落に見えるのだ。またシュリンクさせた汗を吸収しにくい牛革やラバーも用意されている。

 

裏材サンプル

左からカーフ、シャーク、ラバー、アリゲータの裏材見本。


 
既製品の場合、この裏革部分から傷むことが多いのだが、その原因の一つが手首に沿って曲げることによるシワだ。つまり表革との差によって裏革にシワがよってしまうからだ。じつはオーダーメイドの場合、曲げてもシワができにくいように、下の写真のようにあらかじめ調整(癖付け)して縫っているためシワになりにくく、手首のカーブにもフィットしやすい特長がある。結果的にだが、裏革の耐久性も増すというわけだ。

 

裏材バリエーション

束の左はラバー裏材の見本。真ん中は牛革の束で左に見えるのがシュリンクさせたもの。右はシャーク。豊富なカラーバリエーションが揃っている。


 
耐久性はベルトのサイドの仕上げでも変わってくる。仕上げには巻き込みタイプとコバを磨いてコテで仕上げるタイプがあるが、汗をかきやすい男性は後者の仕上げがおすすめ。サイドを磨いた後に顔料で仕上げているためそれが汗留めとなり、手首の汗が表革ににじみ出てくることが少なくて済む。サマーシーズンの汗対策であればラバーのライニングと組み合わせれば完璧だ。興味のある方はオーダーしてほしい。

 
当然だが時計のラグ幅にぴったりな幅のものをオーダーすることができ、尾錠側の幅も好きなサイズに注文することが可能だ。ベルト(ストラップ)の長さや剣先の形、革の厚みもオーダーできる。

 

ベルト幅を採寸
ベルト厚を採寸

 

長さを採寸
時計ベルトの抜き型

時計にキズがつかないようプラスチック製のノギスを使いラグ幅とバックル幅を採寸。長さの採寸も通常はプラスチック製定規を使用。
サイズ、フォルム、剣先の形状を決めていくとベルトの抜き型が決定する。型は100種類以上用意されている。


 
ステッチ糸は耐久性と発色の良さを考慮してポリエステル糸を使用。ビジネス用のドレッシーな時計なら表革と同色にすることが基本。休日のオフタイム用のベルトなら表革と異なる色糸でステッチを施し、楽しむのもいいだろう。

 

ステッチ糸のバリエーション

サンプルから縫製糸(シームレスも可)の色を選択。カラーバリエーションも豊富だ。


 

尾錠

 
尾錠は一般的なピンバックルと着脱時の落下防止にもなるD-バックル(ディプロイメントバックル)を選べる。時計ブランドのロゴが付いた尾錠などお気に入りのものがあれば持ち込みも可能だ。

 

ジャン・ルソーの尾錠

 
オーダー内容が決まったら、銀座店では1匹分のアリゲーターから好みの斑(ふ)の並びを指定することもできる。ワニ革ファンにはとても嬉しいサービスだ。

 

裁断機に革をセット
裁断機でベルト型を抜く

抜き型を使ってハンドプレス型の裁断機でベルト型を抜いていく。

長さを計測
時計ベルトの金型

ベルト型の革を薄く漉く作業。ワニ革は斑(ふ)の溝があるので革漉きには細心の注意を要する。右の写真は、左が革漉き後、右が漉く前の状態。

接着の下準備のための荒し作業
剣先を収める定革と遊革の製作

左の写真は、接着の下準備のための荒し作業。右の写真は、幅5ミリほどのパーツの製作。剣先を収める定革と遊革になる。


 
こうして職人の丁寧な手仕事でできあがるオーダーメイドの時計ベルトだが、長持ちさせるには、靴と同じように毎日着用せずローテーションでまわしていくのが長持ちさせる秘訣だ。また革が硬化してヒビ割れしないように素材に合ったケアをしてほしい。

 
 

時計ベルトをスタイリングの要にレザーアイテムも選べる

アトリエ ジャン・ルソー東京はパリとロンドンに続き、2010年に銀座でオープンしたジャン・ルソーの直営店。時計のベルト以外に長財布や名刺入れ、ブレスレット、ウエストベルトといった革小物も展開している。

革小物は既製品も取り揃えているが、同時にパターンオーダーのサンプルも兼ねていて、気に入ったアイテムを好みの革で注文すれば、フランスのアトリエで製作し約3カ月後の納品となる。

 

アトリエ ジャン・ルソー東京の革小物コーナー
アトリエ ジャン・ルソー東京のブリーフケースと革小物

 
今回紹介した時計ベルトの色に合わせてカラーコーディネイトするお客様も多いという。素材、カラーバリエーションも豊富なのできっと満足いくオーダーができるはず。また銀座店ではオーダーに際して職人にきめ細かいアドバイスが受けられるのも嬉しい。最高級の革製品に興味のある方は一度訪れてほしいお店だ。

 

時計ベルトの色に合わせた革小物

時計ベルトに合わせて、同色、同素材で作られた革小物。
ブリリアントブルーのアリゲーターはジャン・ルソーのアイコン的素材。

職人のアドバイス

ウエストベルトと時計ベルトの色、素材を合わせることも可能。
こちらはウエストベルトのコバ処理作業。

 

Order Price
 
●時計ベルトのオーダーメイド
・ガリューシャ 5万1300円
・アリゲーター 22mm~ 5万1300円
・アリゲーター 17mm~、21mm~ 4万3200円
・アリゲーター ~16mm~ 3万2400円
・ラバー 2万7000円
・オーストリッチ 2万2950円
・シャーク 2万2950円
・サテン 2万2950円
・リザード 2万1600円
・カーフ(全種類) 1万7550円
※価格はすべて税込み

●オプション
・ハンドステッチ 5400円
・アリゲーターライニング 5400円
・スペシャルオーダー 5400円~
・D-バックル 5400円
※価格はすべて税込み

●納期
約1ヵ月(シーズンよって変動)

Shop Data
 
アトリエ ジャン・ルソー東京
東京都中央区銀座7-5-4 ラヴィアーレ銀座ビル1F
TEL.03-6280-6721
■営業時間: 11~20時(日曜日・祝日は18時まで)
www.jean-rousseau.co.jp/ja

 

文:倉野 路凡  写真:桑田 望美


 

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